荻野寿也さん講演会

大阪の若手庭師さん達が主催する庭師の集まり『ニワプラス』で作庭家の荻野寿也さんの講演会が催され、参加してきました。

荻野さんの作る庭は、建築家が作った現代的で手の込んだデザインの住宅や、ハウスメーカーのデザイン住宅などが主なようでした。
まず、自分が思ったのが庭づくりのコンセプトが明確で、ブレが無く、説得力がある、ということ。樹木は山採りのもので、なるたけその現場の自然植生に近いものを使い、建築を活かしつつ馴染ませる。
新築の場合は、樹木の生長や下草の変化も含めてほぼ完成したものとしての庭を作る。これは建築写真の発表との兼ね合いもある。そのため、植栽は生け花のように瞬間の美としてなされる。最初からかなり大きな木も植え付ける。建築があきらかに美しく映る経験則からそのような配慮がなされている。

この基本的なコンセプトがほぼどの庭にも貫かれていて、植栽のためのシンプルな地割りも当を得て、建築に対するバランスが絶妙でとてもきれい。落葉樹の寄せ植えは、生け花のように繊細で、建築を背景に入れず単体で見ても美しい。

また庭の施工の前段階である敷地のプランから様々なアイデアを出し空間を豊かにする。それはついには町づくりまで視野に入っての発言のようでした。建築に歩み寄り、引き立てつつ、樹木の美しさをそれ以上に見せようという強い意思を感じました。

自分の考える庭づくりとは、考え方が異なる点も多かったのですが、それだけに本当に刺激になりましたし、新築で、建物自体の主張がかなり強い、難しい仕事に挑む荻野さんの姿勢に尊敬の念を持ちました。庭づくりの奥行きは広いです。。主催者のお三方と、創作の秘密を包み隠さず語って頂いた荻野さんに心からBIG SHOUT OUTしたいと思います!!(突然のHIPHOP用語 感謝と賞賛の意です 笑)

その後、懇親会で若手の庭師の方々とお話しました。これもとってもナイスな経験で、やる気が出ました。