高田純次

銀行に行ったら広報誌の表紙が高田純次だった。たけしの元気が出るテレビの人を食ったレポーターぶりが面白くて、子供心に不思議な魅力を感じていた。

その記事はインタビューだったのだが、30歳の時に、それまで勤めていた会社をやめて、夜工事現場でアルバイトをしながら舞台に出始めた話は意外だった。適当に生きている、と思わせて、本当はやっぱりダンディズムなのだろうか。まじめに生きているようで適当だったりずさんだったりすることは、自分のことを考えても良くあることだ。
「30過ぎても舞台とかまだやってる仲間に熱くなった。」
「適当、って言われても、自分では良くわからないんですよ。」
「あんまり考えすぎない方がいいんじゃないかな。」
「お笑いとかちゃんと勉強してないから、何が面白いのか今でもわからない」
みたいなシリアスなことを『ディスコでナンパしたら娘の同級生で、娘に話したら「言ってくれたら電話番号教えたのに」って言われた』みたいな適当な冗談を交えながら言っていた。