真の家 前庭

ブログで少しお伝えしてきた奈良の「アーキネット」さんのモデルハウス「真の家」の前庭の工事がほぼ終わりました。

こちらでも工事の様子を紹介して頂いています。↓(私も登場してます〜! 笑)
http://www.e-archi.jp/info/2012/02/archi_forest_2.html

「真の家」は、「これからの工務店の使命として住宅に取り組むなら、次の世代にも望まれるような家づくりをめざす必要がある。それは自然素材を使った、安心して子どもが成長出来る住まいである」という考えの元に、社長さんの生まれ故郷でもある、吉野の材木をはじめとした自然の素材と、大工、左官、建具職といった奈良で育まれた職人の技術で作られたモデルハウス。また体験型ということで希望によって宿泊も出来るようになっています。

室内には、薪ストーブがあり、調度には縁のある工芸作家の作品がそこここに用いられ、またオーガニックコットンのカーテン、檜のお風呂、茶室まで備え、気持ち良く落ち着いた暮らしを想像できるしつらえになっています。(お店のホームページに詳しく載っています。)

また昨年から、「アーキフォレスト西護摩堂」というコンセプトの元、この真の家と隣接する社屋の庭づくりに取り組んでおられ、その一貫として、まだ手つかずであった真の家の前庭の作庭をかま田に依頼されることになったのでした。

「アーキフォレスト西護摩堂」というコンセプトには、「自然」、「技術」、「地域性」を大切に、家づくりを行っていくという思いが込められており、それをどのように作庭に落とし込めるかを思案しました。

まずメインに考えたのが、真の家のある西護摩堂町は奈良で古い歴史を持つ大安寺旧境内、西護摩堂が存在した地域であったということ、地名に表された豊かな歴史を、庭で暗示するなら蓮池しかないと思い、思い切って道路に平行して蓮池を一杯に設けました。蓮は泥の中から美しい花を咲かせる様子から、仏の慈悲の象徴とされますが、単純にその造形的な美しさ、面白さも心が惹かれます。

花の時期には蓮に浮かぶ真の家が見られ、今は住宅が並ぶこの地域が大安寺旧境内だということが思い出されれば、、

アプローチ、植栽に関しては、左手にささやかな築山、抜け道を配して、梢の美しい雑木を家を包むようにシンプルに植えました。今は下草も少し淋しいですが、春になれば、落葉樹の新芽、苔や柴の優しい緑に包まれると思います。この開かれた庭を通じて、沢山の方に楽しい空気が広がっていけば嬉しいことです。
(具体的な植栽の内容はまた追って紹介いたします)