太郎

ゴールデンウィークの話。人生で初めて万博公園に行った。
大阪万博の開催は1970年。自分が生まれる九年前。人から話を聞くだけだった。

つくば科学万博は1985年。つくば万博は家族に連れられて出かけた記憶がまだある。
今思うと、つくば万博の時代もいい時代だったのだが、これを目にすると、

うら

大阪万博の時代は桁違いのエネルギーに溢れていたことがはっきりわかった。しかもこの塔が丹下健三の建築の屋根をぶち破って立っていたのだ。

「いい時代だったんだなー」「今、こんなことは起きっこないね」と同行の人と話す。万博公園のなかのケヤキの新緑が本当にきれいである。なんとはなしに切ない。家族連れが楽しそうにしている。ここは太陽の塔に守られているので、他の場所とは違い、とっても平和なのだ。
などとちょっとおかしな思い込みをしてしまうほど、この塔は何かを宿している。
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岡本太郎が生きていたら、震災後の今は何と思うのだろうか。「芸術は爆発だ」ってのを自粛していたろうか。
多分絶対しない。塔を見て確信する。荒川修作だったら「原発なんかで人は死なない、そんなんで死ぬのは法律違反だ。とりあえず俺に3兆円よこしなさい」とかいうだろう。
これからの時代は、現実を超えた精神と知性の力、つまり芸術の仕事にますます価値を見いだすことになる気がしている。
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石山修武さんのホームページを見ていたら、東北に、鎮守の森を作る計画が始動しておった。ひろしまハウスのように市民参加型のプロジェクトにするみたい。大地とそこで亡くなった人たちを樹を植えることで鎮魂する。論理的に説明はつかないが、これは正しいと思う。

独立して改めてわかったが、植物を植えると、自分の頭のなかにその庭が生きはじめる。あの樹大丈夫かなー、枯れてないかな、あの花咲いたかな、などと時々に思い出す。鎮守の森を作るっていうのは、そういう意味で、自分には理解出来る。これは実現すれば必ず参加したい。

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夜はカサンドラウィルソンのライブ@billboardosaka。

恰幅よすぎのカサンドラの、金髪のドレッドとパーカッションの人の超ド派手なジャージに目を奪われました。

良い一日でした。